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2006年7月10日 (月)

専門病院間で未熟児死亡率に差があるらしいが

子供も生まれたので、情報収集も育児方面に関する話題が多くなってくる。そんな中、毎日新聞にこんな記事が。

未熟児:死亡率に差…専門病院間で0~30% 厚労省調査

 出生体重が1500グラム以下の未熟児「極低出生体重児」の死亡率に、専門病院の間で、0~30%まで差があることが、厚生労働省研究班(分担研究者・楠田聡東京女子医大教授)の調査で分かった。平均死亡率は11%で欧米より低かったが、脳の出血や肺障害を起こす率も差が大きく、病院による治療法の違いで差が出た可能性がある。班は死亡率の低い病院の治療を普及させて、全国的な死亡率低下を目指す。

 研究班は、03年当時に国と都道府県から「総合周産期母子医療センター」の指定を受けていた42施設を調査。03年に治療した極低出生体重児について、治療法など80項目を聞いた。37施設から、同年生まれの極低出生体重児の約26%にあたる、2145人分のデータが集まった。うち1913人が退院し232人(11%)が死亡していた。

 各施設の死亡率を算出し、出生体重が低いと死亡しやすいことを考慮して修正すると、修正後の死亡率は0~30%までばらついた。楠田教授によると、死亡率0は、治療した人数が少ない施設での偶然とみられるが、患者数が多くても、死亡率が高い施設があった。

 肺が硬くなり、退院後も酸素投与が必要となりかねない病気「慢性肺障害」に陥る子の率は施設により0~75%、脳性まひなどにつながる「脳室内出血」を起こす率も0~50%と異なった。

 楠田教授は「専門施設間で、死亡率などがこれほど違うとは驚いた。各施設は国などから補助金を受けており、治療成績を示して向上させるのが義務だ。04、05年のデータも調べ、治療法の標準を作りたい」と話している。【高木昭午】

毎日新聞 2006年7月9日 3時00分

私はべつに専門家ではないのでこれに対して具体的に批判をしたりするつもりはないけれど、一般的に言って死亡率の差はそのまま病院の技量の差を反映しているとは限らないということは確認しておきたい。

例えば、重篤な患者が高次医療機関にされるような事態を想定すれば、それだけで死亡率に差が出てくる。そのような状況で単純に死亡率の低い病院の治療を普及させると、かえって全体的には死亡率が上がってしまう可能性もある。

データをとって統計的に見るという手法はそれなりに有効な場合もあるけれど、その意味をしっかり把握しないと、数字が一人歩きしてしまってかえって不合理な選択をしてしまう可能性もあるので注意したいところだ。

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