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2006年7月 3日 (月)

槌田敦「CO2温暖化説は間違っている」を読む(3)

槌田説では説明できないCO2のゆくえ

大気中のCO2濃度は海水からの放出で決まる、と主張する槌田説だが、それでは説明できないのが人間活動由来のCO2がいったいどこへ行ってしまったのか、ということだ。

従来の説では人間活動由来のCO2の放出は71億トン、陸域での吸収が19億トン、海水での吸収が19億トン、38億トンが大気中に蓄積するとされている(IPCC第三次報告書)。

これについて槌田は

 気象学者キーリングが最初に大気中のCO2濃度を論じたときから、化石燃料の燃焼で生じたCO2のうち半分が行方不明とされ、その問題について合理的に説明できないままである。

p53-54

と評し、ミッシングシンクの問題をとりあげているが、その問題はすでに解決されているのを知らないようだ。

また、

 これらの数値は発表ごとに変わっていて、CO2の収支はまだよく分かっていない。

p54

とも書いているが、実際の排出量や吸収量が変化するのだから、数値が発表ごとに変わるのはある意味当然の話だ。測定誤差はあるものの、おおまかなCO2の収支はだいたいわかっていると考えた方がよい。

一方槌田説ではどうなるかというと、大気中のCO2濃度は海水からの放出で決まるということだから、大気中に増加している33億トンのCO2は海水由来ということになる。となると、問題となるのは人間活動由来のCO271億トンのゆくえだ。仮に海水に吸収されたとすると、ネットでは海水は吸収することになるので槌田説とは相容れない。残るは陸域での吸収だが、仮に陸域で光合成によって71億トンが吸収されたとすると、その吸収量はIPCCの推定とはだいぶかけ離れている。またCO2が吸収された分のO2が大気中に排出されたことになる。一方、化石燃料や森林伐採等によるCO2の排出も同じく71億トンで、その分のO2が大気から失われた計算になる。光合成によるO2の排出と燃焼によるO2の消費を差し引くとゼロ、つまり大気中のO2濃度は変化しない計算になる。これは観測事実と合わない。そもそも、槌田氏は『「森林などによる吸収の増加」は、森林伐採や焼き畑などの現状に反している(2005,日本物理学会誌投稿原稿)』と陸域での吸収について懐疑的だ。

結局のところ、人間活動由来のCO2がいったいどこへ行ってしまったのか、槌田説では全く説明できない。実際、説明されている文章は見たことがないし、どうも説明を試みるつもりもないように見受けられる。

槌田説を支持する人は是非とも人間活動由来のCO2のゆくえについて説明をして欲しい。

他にもたくさんツッコミどころはあるのだが、こちらで反論がなされているので、科学的な検証はひとまずここまでとしたい。

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