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2006年2月14日 (火)

女子モーグルがメダルを逃した理由

トリノオリンピックの女子モーグルを見たが、残念な結果に終わってしまった。
最大の敗因は、上村の場合はスピード、里谷の場合はエアーの着地か。

モーグルの採点はターン、スピード、エアー(ジャンプ)の3要素によって決まる。それぞれの配分はターン50%、スピード25%、エアー25%だ。上村はエアーはいいものを持っていたが、スピードで上位選手に負けてしまった。
スピードの配点は数字上はたったの25%だが、実際は見えないところでこのスピードが効いてくる。
まず、スピードが速ければそれだけターンの質が高いと評価される。スキーのターンは板をずらすターンとずらさないターンがあり、板をずらして雪面を削ることによってスピードが抑制される。板をずらすターンは割と簡単だが、できるだけずらさずに滑るというのは結構難しいのだ。だから、スピードが出ていればそれだけシャープな滑りができているとみなされるわけだ。
また、スピードが出ていればその分正確でバランスの良いターンが要求される。スピードが速ければ速い程コブからコブへのテンポが速くなるし、コブに当たった時の衝撃が大きくなる。そんな時に余裕のない滑りをしていると、大きくバランスを崩す要因となる。だから、スピードが出ているにもかかわらずしっかりした滑りができているというのはそれだけバランスが良く、スピードに対する対応力があるとみなされるわけだ。誰だったか忘れたが、スピードが出ているにもかかわらずすごく
最後に、スピードが出ているとその分だけエアーを高く跳ぶことができる。1位と5位の差がおおよそ3秒で、トータルタイムが30秒程度だから、スピードには1割ほどの差が出ていることになる。エアーに入る時のスピードに違いがあると、それだけエアーの高さ、滞空時間も違ってくることになる。高く、長く跳ぶことができればそれだけ表現力が増すことになる。
上村の滑りはそんなに悪くないと思ったけど、一回目のエアーの後で流されたのが災いしたのかな?

でもあのエアーは凄かったな。長野の時の里谷の滑りと並んで一生記憶に残ることだろう。

一方、里谷の方はというと、スピード、ターンの点ではずば抜けたものを持っている。長野の時はすごかったという記憶がある。ただ、今回はそんなに速かったという感じがしない。里谷が不調だったのか、それとも全体のレベルが上がったのか。

それにしても、最近のエアーの技術の向上には目を見張るものがある。長野の時と比べると隔世の感がある。エアーが苦手な里谷が長野で金を取れたのは、競技の歴史が浅かったあの時代だからこそだったのだろうか。里谷も頑張ってフロントフリップを決めたはいいが、着地でバランスを崩してしまった。やはり完成度が低く、そのため、エアーの恐怖感が頭にあったのかな。
私もスキー場ではよくモーグルバーンでなんちゃってモーグラーを演じているが、もう大抵の斜面では恐怖感を感じなくなった。それでもエアーをやるとなるとやっぱり足が((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル。単に跳ぶだけなのに。それがフロントフリップともなると、着地の時に雪面が見えないから相当怖いだろうね。

ちなみに点数はこちら
http://www.torino2006.org/ENG/IDF/FR/C73B_FRW020101.html

なにがともあれ、皆さんお疲れ様でした。

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